【法人向け】EVにかかる税金はどれくらい?維持費削減で重要な税金について解説

EVの基礎知識
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環境対策の一環として社用車/公用車のEV化を進めようとしている企業・自治体は少なくありませんが、「維持費はどのくらいかかるの?」「ガソリン車よりも維持費が高くならない?」といった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
EVは車両価格がまだ高額なうえ、充電設備も必要となるため、一般的には高いイメージがありますが、実は税金や保険などの諸経費も含めたトータルコストで見ると意外と高いわけではありません。燃料費は電気代の方が安く抑えられ、メンテナンスなどもガソリン車よりは割安です。中でも一番差が顕著なのが税金です。本記事ではそんなEVの維持費を大幅に削減する税金について注目します。

目次

EV(電気自動車)にかかる諸経費

EV(電気自動車)の諸経費にはどのようなものが含まれるのでしょうか?
以下では、諸経費に含まれる費用の種類と費用相場をご紹介します。

税金

自動車関連の税金としては、購入時にかかる「環境性能割」、新車登録時と車検(継続検査)時にかかる「自動車重量税」、そして毎年1回納める「自動車税」があります。

本稿執筆時点では、EVに対する環境性能割は2025年度末まで非課税となっています。

また、自動車重量税には「エコカー減税」、自動車税には「グリーン化特例」と呼ばれる減税制度が適用されるため、ガソリン車に比べ税金関連の維持費を削減することが可能です。

具体的には、エコカー減税では新車登録時の車検と購入後初めての車検(継続検査)で自動車重量税が免税となり、グリーン化特例では新車登録年度の翌年度分の自動車税が約75%減税されます。

自動車保険や自賠責保険

自動車保険や自賠責保険も維持費に含まれます。
一般的に、自動車保険の保険料は車両の価値や使用状況、運転者の年齢や運転歴などによって異なります。

EVはガソリン車に比べて部品が少なく、またエンジンなどの高価な部品が存在しないため、修理費用が比較的抑えられることが多いです。このため、保険会社によってはEVに対して割引が適用される場合があります。

自賠責保険(強制保険)については、ガソリン車とEVで大きな違いはありません。自賠責保険は被害者救済を目的とした保険であり、保険料は車両の種類に関係なく一定の基準で定められているためです。

その他維持費

その他の維持費としては、車検などのメンテナンス代や消耗品代が含まれます。

ガソリン車の場合はオイル交換やエンジン関連のメンテナンスが必要ですが、EVは内燃機関を持たないため、これら内燃機関に関係する消耗品交換・メンテナンス費用はかかりません。

ブレーキの消耗も少なく、バッテリーやモーターなどの部品も耐久性が高いため、定期的なメンテナンスコストがガソリン車に比べて削減される傾向にあります。

ガソリン車vs EV、どちらの税金が安い?

EVは税金が断然安い

では、ガソリン車とEVはそれぞれどのくらい税金に違いがあるのでしょうか?
以下では、当社で調べた税金の比較をしてみます。

・税金(5年間で支払う費用を1年当たり費用として換算)

 ガソリン車(ホンダN-BOX)EV(日産サクラ)
軽自動車税(毎年)¥10,800¥2,700
自動車重量税(車検時ごと)¥1,860¥0
環境性能割(購入時)¥2,998¥0
合計¥15,658¥2,700

EVには上記のような税制優遇があり、ガソリン車に比べて圧倒的なメリットがあります。

車両価格や充電設備関係費用においてEVの方が高くなる傾向がありますが、税制優遇によりトータルコストではその差を大きく縮めることができます。

そのほか補助金の活用や、後述するスマート充電を活用することにより、トータルコストでの比較においてガソリン車と遜色ないケースになることもあります。以下は当社で試算した上記2種類の軽タイプの車両を20台運用した際のトータルコストイメージです。ガソリン車のコスト100に対し、補助金などを最大限活用するとEVのコストは101(1%増)という試算結果となっております。ここではガソリン車のコストに占める税金の割合5.1%に対し、EVは1.3%という大きな差が表れています。その他、諸経費と燃料代でもそれぞれEVの方が少し安くなっていますので、ガソリン車にはない充電設備やスマート充電の費用があっても、その差をかなり縮めることができています。

ガソリン車VSEVトータルコスト比較

EVの維持費を抑えるポイント

EVの維持費を抑えるためには、以下で解説するようにスマート充電を活用することが効果的です。

スマート充電の活用

企業・自治体の場合、日中に車両を使用するケースが多く、夕方から夜にかけて複数台のEVを充電するのが一般的です。そのため、この時間帯に電力消費が偏りやすくなります。

電力契約は、最大需要が基本料金に反映されるため、極端に電力消費が大きくなる時間帯を作らないようにすることが重要です。

そこで、スマート充電サービスが役に立ちます。スマート充電サービスとは、充電タイミングや充電器の出力を調節するサービスのことで、電気を使わない夜間にEVの充電をシフトすることで、契約電力(基本料金)の増加をしなくても済み、電力設備の増設も不要です。

充電制御の仕組みや導入メリットなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ:EVは税制優遇により維持費を抑えることが可能

EVは電気代や税金、保険料などで維持費を安く抑えることができます。なかでも税金の優遇措置が圧倒的です。これにスマート充電サービスを活用することでさらにコストを抑えることが可能です。

エネットでは、社用車/公用車のEV導入を後押しするスマート充電サービス「EnneEV(エネーブ)」をご提供しています。EnneEVは充電電力を契約電力内にコントロールする充電制御を行うことができ、既存の契約電力を超えないように調節することで、電気料金を極力抑えたEVの運用を可能とします。

以下の資料では、社用車/公用車のEV化のノウハウを公開していますので、EVの導入を進めたい企業・自治体の方はぜひご活用ください。

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本資料では、世界と日本のEVシフトの現状やEV導入の際に考慮すべきポイントをわかりやすくご紹介しています。社用車としてのEV導入をご検討されている企業のご担当者様はぜひご覧ください。

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