EV(電気自動車)の充電方法について解説。充電スタンドの探し方や利用時の注意点、スマート充電導入の重要性

EVの基礎知識
EV(電気自動車)の充電方法について解説。充電スタンドの探し方や利用時の注意点、スマート充電導入の重要性

EV(電気自動車)の普及に伴い、充電スタンドを見かける機会が増えてきました。充電スタンドは設置場所によって種類が異なり、普通充電器と急速充電器によって充電時間や充電コストに違いがあります。特に、公共のスタンドの急速充電器を利用する場合には注意すべき点があります。
本記事では、EV(電気自動車)の充電スタンドの探し方や、利用時の注意点、そして効率的な充電を実現するスマート充電について解説します。

目次

電気自動車の充電方法と選択肢

EVの充電方法は、公共の充電スタンドによるパブリック充電と、自社/庁舎でのプライベート充電に分けられます。

公共の充電スタンドの利用

公共の充電スタンドは、主に道の駅、高速道路のサービスエリア、カーディーラー、商業施設などに設置され、利用料を支払えば誰でも利用できます。これをパブリック充電と呼びます。
多くの場合、急速充電器が設置されており、最大出力は20~50kWほどです。しかし、最近は90kWや150kWといった高出力のものもあります。急速充電器の利用には時間制限があり、最長で30分程度です。利用料金は、一般的な電気料金よりも割高になります。

自社/庁舎への充電設備導入

プライベート充電は、自社や庁舎に設置した充電設備を利用する方法であり、施設の所有者が専有して使用できます。
普通充電器を設置することが一般的であり、パブリック充電と異なり時間制限もないため、EVを使わない時間帯に時間をかけて充電可能です。自社で契約している電気料金で充電できるため、一般的にパブリック充電に比較すると充電費用を抑えられます。
社用車/公用車としてEVを導入する場合、基本的にはプライベート充電を利用します。

充電設備の設置費用や設置の流れについては以下の記事で解説しています。

普通充電器・急速充電器の違いや選び方のポイントについては以下の記事をご覧ください。

充電スタンドの探し方

EVの充電は、利便性やコストを考慮すると基本的にはプライベート充電が望ましいですが、出先で充電が必要になる場合もあります。
そこで以下では、充電スタンドの探し方を解説します。

充電スタンドの設置場所や目印

充電スタンドは、車で立ち寄ったり休憩する機会が多い場所に設置されることが一般的です。
普通充電器は滞在時間が比較的長い場所、急速充電器は滞在時間が比較的短い場所に多く設置されています。

普通充電器:オフィスビルや宿泊施設、デパートの駐車場など
急速充電器:サービスエリアや道の駅、カーディーラー、地方自治体の施設など

充電スタンドのある場所には『CHARGING POINT』マークが掲示されているので、このマークを目印にすると良いでしょう。

EV(電気自動車)の充電方法について解説。充電スタンドの探し方や利用時の注意点、スマート充電導入の重要性

出典:東京電力ホールディングス「電気自動車用充電器の案内表示「CHARGING POINT(チャージングポイント)」のご使用について」

カーナビ・マップ機能の活用

EVに搭載されているカーナビには、地図データ上に充電スタンドの情報が登録されており、カーナビを使ってスタンドを探すことが可能です。
ただし、充電スタンドの情報はメーカーや調査会社が適宜調査・更新するため、マップ機能に反映されるまでに若干時間がかかる場合があることには注意が必要です。

専用アプリやウェブサイトの利用

EVスタンドの普及にあわせて「EV充電アプリ」も続々と登場しており、充電スタンドを探す際に役立ちます。
充電スタンドを検索してナビゲーションしてくれる機能や、スタンドの満空状況を確認できるもの、アプリの操作を通じて充電が可能なものなどさまざまな種類があるので、ニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。

公共の充電スタンドを利用する際の注意点

公共の充電スタンドを利用する際には、以下の点に注意する必要があります。

急速充電は必ずしも満タンにはできない

急速充電器は一般的には短時間での充電が可能ですが、車両側の過充電を防ぐため、充電量が80%を過ぎると充電速度が徐々に落ちていく車両や、周期的に充電速度が変化する車両もあります。過充電になるとバッテリーの劣化を早め、寿命や性能に影響を与える可能性があるのがその理由です。
満充電に近づくにつれて充電速度が落ちる車種の場合、時間で課金する急速充電スタンドでは料金が高くなってしまいます。例えば、60%から80%までの充電が仮に10分程で完了しても、80%から100%までの充電は30分もかかるようなケースもあります。同じ20%の回復でも料金が3倍異なったりするため、充電後に長距離を走らない場合は80%程度の充電に留めておくことが望ましいでしょう。
また、夏場などに急速充電器が長時間高温に晒されると充電速度が落ち、時間がかかるケースなどもあります。

長時間車両を放置しない

急速充電器でも充電が完了するまで15分から30分程度かかるため、車両から離れて時間を過ごすこともよくあります。しかし、長時間車両を放置すると充電を待っている人に迷惑がかかるため、充電が終わり次第すぐに移動すべきです。
利用時間が決まっている充電スタンドで追加充電したい場合にも、待っている人に譲った後に充電するようにしましょう。

EV(電気自動車)の充電時間とコスト

以下では、EVの充電時間とコストの目安を紹介します。

EVの充電にかかる時間

EVの充電時間はバッテリーの容量や残量によって異なります。
満充電になるまで普通充電では数時間から十数時間程度、急速充電では数十分程度かかることが一般的です。

詳細については以下の記事をご覧ください。

EVの充電コストの目安

充電コストは普通充電か急速充電かによって異なります。
普通充電器でのプライベート充電の場合、月間600km(1日30km走行×20営業日)で走行するとして、基本料金を含めると、低圧施設なら5,000円程度、高圧施設では1万円強が目安となります。
出力が小さい普通充電器は最大需要への影響が小さく、基本料金の増加分を比較的低く抑えることができますが、出力が大きい急速充電器は増加分が多くなります。
なお、パブリック充電は1回30分○○円というように、時間単位で料金が決まります。

充電コストの具体的な計算方法や、充電方法によるコストの違いなどは以下の記事で解説しています。

EVスマート充電システム導入の重要性

EVを複数台導入し、電力消費量の多い昼間に同時に充電すると、契約電力が上昇してしまいます。また、そういった施設が多くなってくると、その地域の特定の時間帯の電力供給力を増加する必要に迫られ、電気料金が高騰する恐れがあると言われています。特に需要の多い真夏や真冬、平日昼間のピーク時には電力不足にも陥る可能性があります。

それを解決するのがスマート充電(充電制御)です。スマート充電(充電制御)は、EVの充電開始/停止タイミングや充電出力を遠隔でコントロールする機能のことです。
スマート充電(充電制御)を導入することで施設の契約電力を超えない範囲で充電できるようになり、電気代が増加するのを回避できます。EV充電器の導入台数が増えても既存の設備容量内で充電できるため、設備増強のコストも抑えられます。引いては地域の電力需給の安定化にもつながります。

こうしたことから、複数台のEV導入に際してはスマート充電(充電制御)システムもあわせて導入することが重要です。

スマート充電(充電制御)の詳細は以下の記事をご覧ください。

スマート充電サービス「EnneEV®(エネーブ)」のご紹介

EVの充電方法にはパブリック充電とプライベート充電があり、充電器の種類としては急速充電器と普通充電器がありますが、企業や自治体の場合、自社/庁舎での普通充電器によるプライベート充電で充電することが基本です。
その際には契約電力の範囲内で充電するように注意し、電力消費のピーク時に一斉に充電しないことに加え、スマート充電(充電制御)の導入を検討すると良いでしょう。

スマート充電サービスの「EnneEV(エネーブ)」は、充電器の時間制御と出力制御が可能であり、既存の契約電力を超えないようにコントロールできます。これにより、電気料金を極力抑えた運用が可能です。お客さまの電気の使用パターンや会社設備の規模にあった最適なEV導入計画を提案いたします。

EnneEV(エネーブ)の詳細についてはこちらの資料をご覧ください。

また、以下の資料ではEV充電器の選び方のポイントについて解説していますのであわせてご覧ください。

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