ガソリン価格が高騰する理由は?

昨今のガソリン価格の高騰に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。ガソリン価格は原油価格や為替レート、税金といった要素で決まり、最近では円安トレンドも相まって、ガソリン車を運転するコストの上昇が避けられない状況です。
本記事では、近年のガソリン価格の推移やガソリン価格を決める要素、そしてガソリン価格が高騰する理由を解説します。
ガソリン価格の推移
ガソリン価格は近年、高値で推移しています。2025年3月24日時点で、レギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり184.9円となっています。
今後も高値のトレンドは続くと見込まれ、政府はガソリン価格の高騰を抑制するために補助金制度を導入していますが、見直しが検討されています。
そのため、見直しの内容によっては、ガソリン価格は今後さらに上昇する可能性があります。
ガソリン価格を決める要素
ガソリン価格はさまざまな要素で決まりますが、主なものとしては以下の3つがあります。
原油価格
ガソリンは原油をもとに作られるため、原油価格はガソリンの価格を決める大きな要素です。原油価格は他の商品と同様、基本的には需要と供給のバランスで決まります。
例えば、新型コロナウイルスが世界的に蔓延した2020年は、経済活動が停滞したため原油の需要が低下し、ガソリン価格が大きく下落しました。
その後、コロナ禍から経済が回復する中で需要が増加し、さらに世界的な産油国であるロシアがウクライナに侵攻したこともあり、現在に至るまで価格は上昇傾向にあります。
また、世界の主な産油国で構成されるOPECが原油の減産を決定すると供給が少なくなり、価格が上がりやすくなります。
日本は原油のほとんどを輸入しており、中東やロシアなど国際情勢の変化による影響を受けやすい環境にあります。
税金
日本のガソリン価格の多くは税金で占められており、これが「ガソリン価格が高い」と感じる要因の1つとなっています。
具体的には以下の税が課せられています(2025年1月時点)。
・ガソリン税:
ガソリン1リットルあたり53.8円が課されています。
・石油石炭税:
1リットルあたり2.8円が課されています。
・消費税:
ガソリンの販売価格に10%の消費税が課されています。
以上を合わせると、ガソリンの販売価格のうちおよそ3~4割が税金で占められている状況です。
為替レート
為替レートもガソリン価格に影響を与える要因です。
原油は主にドル建てで取引されるため、円安になると輸入コストが上昇し、ガソリン価格が高くなります。反対に、円高になると輸入コストが抑えられ、ガソリン価格も下がる傾向があります。
ガソリン価格が高騰する理由
ガソリン価格が高騰する理由としては以下の3つが挙げられます。
原油需要が高まっている
コロナ禍が収束して以降、各国の経済活動が活発になっており、世界的に原油需要が増加し、原油価格が長期的に上昇しています。
特に、中国やインドといった新興国でのエネルギー需要が増加しています。昨今の中国経済の減速により需要が低下する可能性もありますが、OPEC+(石油輸出国機構と非加盟の産油国)による減産の合意が続いていることや中東情勢の緊迫もあり、原油価格が急激に下落することは考えにくいでしょう。
円安が続いている
日本は原油をほぼ100%輸入に依存しているため、為替レートの影響を大きく受けやすい環境にあります。
直近は円安トレンドが続いており、ガソリン価格が高騰する一因となっています。
なお、過去数年の年始(1月1日)におけるドル円レートを見ると以下の通りです。
2022年1月:約115円
2023年1月:約131円
2024年1月:約141円
2025年1月:約157円
出典:EXCHANGE-RATES.org
補助金の見直し
日本政府はガソリン価格の高騰を抑制するため、石油元売り企業に補助金を支給して価格を一定程度抑える制度を導入してきました。
補助金制度はこれまで何度も延長されてきましたが、政府は補助金制度の見直しを検討しています。
この検討結果によっては、補助金で吸収されていた価格上昇分が販売価格に反映され、今後ガソリン価格が高騰することが考えられます。
社用車変更でEVの検討を
ガソリン価格は原油価格のほか、税制や為替レートによって左右されます。世界的な原油需要の増加や円安の進行は輸入コストを押し上げ、ガソリン価格の高騰をもたらす要因です。さらに補助金内容の再検討により、高騰した原油価格が販売価格に直接反映される可能性があります。
以上を踏まえると、ガソリン価格の大幅な下落は考えにくく、むしろ今後さらに高騰する可能性があります。EVは充電の仕方を工夫することでガソリン車と比較してエネルギーコストを抑制することができます。
EVはCO2排出量が少なく環境にも良いため、ガソリンを使用しないEVの導入を検討することがおすすめです。
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