ゼロエミッション車(ZEV)とは?社用車/公用車のゼロエミッション化が求められる理由

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ゼロエミッション車(ZEV)とは?社用車/公用車のゼロエミッション化が求められる理由

温室効果ガスの排出削減が求められている昨今、環境に優しい「ゼロエミッション車」(ZEV)が注目されています。社用車/公用車にゼロエミッション車を導入することで、温室効果ガス排出削減や大気汚染の改善に貢献でき、企業のイメージ向上にも寄与します。

本記事では、ゼロエミッション車の概要や広まっている背景、社用車/公用車のゼロエミッション化を進めるべき理由などを解説します。

目次

ゼロエミッション車(ZEV)とはどんな車?

 

ゼロエミッション車とはどのような車なのかを理解するために、本章ではまずゼロエミッションの定義やゼロエミッション車の種類、普及している背景を解説します。

そもそもゼロエミッションとは

ゼロエミッションとは、人間の活動によって排出される廃棄物(Emission)を可能な限りゼロにする取り組みや概念のことです。さらに排出された廃棄物を積極的に再利用し、資源循環型の社会の実現を目指します。

1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(環境と開発に関する国際会議)で採択された行動計画「アジェンダ21」を受けて、1994年に国連大学によって提唱されました。

ゼロエミッションと似た概念に「カーボンニュートラル」や「ネットゼロ」があります。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出をゼロにすることであり、ネットゼロもカーボンニュートラルとほとんど同じ意味で使われます。

カーボンニュートラルやネットゼロが温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを重視する一方で、ゼロエミッションは温室効果ガスを含む廃棄物の排出量そのものを削減する意味合いが強いです。

ゼロエミッション車の種類

ゼロエミッション車は“Zero Emission Vehicle”の略で、走行時に温室効果ガスや大気汚染の原因となるガスを一切排出しない車のことです。電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)が該当します。

ガソリン車やディーゼル車は走行時に内燃機関を使うために温室効果ガスを排出しますが、内燃機関を使わないゼロエミッション車はクリーンな移動・輸送手段として注目されています。

なお、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)も環境に優しい車として知られていますが、内燃機関により駆動するため厳密にはZEVではありません。これらの車は、「部分的なゼロエミッション車」という意味で、PZEV(Partial Zero Emission Vehicle)と呼ばれます。

EVとその他の車の特徴や違いについては以下の記事で詳しく解説しています。

ゼロエミッション車が広まった背景

ゼロエミッション車(ZEV)とはどんな車?

ゼロエミッション車(ZEV)という呼び名が世界に広く知れ渡ったのは、1990年代にアメリカのカリフォルニア州が、「ZEV規制」を導入したのがきっかけです。この規制は、環境問題への意識が高まる中で、排出ガスゼロの車両を普及させることを目的として制定されました。ZEV規制では、自動車メーカーに対して、一定の割合以上でZEVを販売することが義務付けられており、規制に対応できないメーカーには罰金が科されるか、規制を超過して達成した他のメーカーから排出枠(クレジット)を購入するというシステムが導入されました。

この規制は、当初はカリフォルニア州に限られたものでしたが、その効果が評価されると共に、欧州や中国など他の地域でも同様の規制が導入され、ZEVの普及が進みました。欧州では、厳しい環境基準を持つEUが主導して、各国がZEVに関する規制を強化し、ZEVの市場拡大を促進しています。また、中国は世界最大の自動車市場として、国策でEVの普及を進め、ZEVの開発と販売に大規模な支援を行っています。

日本においても、2021年に「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」という方針が発表されました。これにより、日本国内でもZEV普及に向けた取り組みが加速しています。さらに、自治体レベルでも積極的な政策が打ち出されており、例えば東京都では、2030年までに都内の乗用車新車販売に占めるZEVの割合を50%まで引き上げる目標を掲げています。

このような規制と政策の進展により、ガソリン車から電気自動車(EV)への転換、いわゆる「EVシフト」が急速に進むことが予想されます。自動車メーカーは市場の変化に対応すべく、EVの開発や生産体制を強化しており、消費者の間でも環境への配慮からZEVを選ぶ動きが広がっています。今後も、環境問題に対する国際的な取り組みが強化される中で、ZEVの普及はさらに加速していくでしょう。

日本や各国におけるEVシフトの現状については以下の記事で解説しています。

社用車/公用車のゼロエミッション化が求められる理由

政府の方針や規制の強化を受けて、営業車やバス、運送車両などを電気自動車(EV)に切り替える「EVシフト」を進める企業や自治体が増えています。こうした動きは、地球環境保護やコスト削減の観点から、ますます加速していくことが予想されます。

例えば、NTTグループは、2030年までに自社の一般車両を100%EV化するという目標を掲げ、その取り組みを積極的に進めています。

社用車や公用車をEV化することには多くのメリットがあります。まず、温室効果ガスの排出を大幅に削減することで、地球温暖化の抑制に貢献します。また、窒素酸化物(NOx)や超微小粒子状物質(PM)の排出も削減されるため、都市部を中心に深刻化している大気汚染の改善に寄与します。

さらに、企業にとっては、地球環境の保全という社会的責任を果たしていることを対外的にアピールできる点も重要です。環境に配慮した取り組みを行う企業としてのブランドイメージ向上が期待でき、顧客や取引先からの信頼を高める要素となります。

加えて、EVの経済的な利点も見逃せません。EVの走行に必要な電気代は、従来のガソリン車の燃料費に比べて安価であり、運用コストの削減につながります。これにより、企業は燃料費の節約が可能となり、長期的な経費削減に寄与します。今後、さらに多くの企業や自治体がこの流れに乗り、EVシフトを進めていくことが期待されます。

社用車/公用車をEV化するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ:未来に向けて社用車/公用車のEVシフトを進めよう

EVをはじめとするゼロエミッション車は温室効果ガスを排出せず、地球温暖化対策として効果的です。ZEV規制の広がりもあり、今後はさらにEVが普及していくと予想されます。

企業/自治体がEVの導入を進めていくことは、地球温暖化をはじめとする社会問題の解決に大きく貢献し、「環境に配慮した社会的責任を果たしている企業」というブランドイメージ向上にも寄与します。

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